🌿いちじくの世界

CHAPTER 04

品種図鑑

世界に700種以上存在するいちじく。知名度・流通量の高い順に、日本の品種6種・世界の品種6種を詳細に紹介する。

※ 知名度・市場流通量・栽培普及度を基準に有名順で掲載。各品種名をクリックすると詳細が展開します。

原産・由来

フランス原産 → 日本で普及

収穫時期

8〜10月(夏秋兼用)

果皮の色

紫褐色

味の特徴: 甘みが強く、果汁豊富。柔らかい食感。

日本で最も多く栽培される品種。市場流通量の約80%を占める。果実が大きく(100〜150g)、栽培しやすいため農家に人気。スーパーで売られているいちじくのほとんどがこの品種。

1920年代に広島県の桝井光次郎氏がフランスから導入・普及させた。耐病性が高く、単為結果性(受粉不要)で安定した収量が得られる。果皮は薄く、傷みやすいため長距離輸送には向かないが、産地直売や近郊農家では重宝される。

甘さ
大きさ
入手しやすさ
原産・由来

日本在来種(江戸時代から)

収穫時期

8〜10月(夏秋兼用)

果皮の色

赤紫色

味の特徴: 上品な甘みと酸味のバランス。果肉は赤みが強い。

江戸時代から愛知県で栽培される在来品種。「愛知の在来いちじく」とも呼ばれ、地元では根強い人気を誇る。桝井ドーフィンより小ぶりだが風味豊か。

江戸時代中期に中国から渡来したとされる説が有力。愛知県・大阪府・兵庫県などで地域ブランドとして栽培されている。果実は50〜80gとやや小さいが、糖度が高く(18〜22度)、独特の香りが特徴。

甘さ
大きさ
入手しやすさ
原産・由来

フランス・プロヴァンス地方

収穫時期

9〜10月(秋果専用)

果皮の色

濃紫〜黒紫

味の特徴: 濃厚な甘み。ジャム・コンポートのような凝縮した風味。

フランスのAOP(原産地呼称保護)認定品種。日本では高級フルーツとして1個数百〜数千円で販売。果皮が薄く、鮮度が落ちやすいため流通量が少ない。

フランス・ソリエス地方原産。EU圏内でAOP認定を受けた唯一のいちじく品種。糖度は20〜25度と非常に高く、果肉は鮮やかな赤色。日本では2000年代以降に高級フルーツとして認知が広まった。収穫後24〜48時間以内に食べるのが理想。

甘さ
大きさ
入手しやすさ
原産・由来

ドイツ

収穫時期

7〜8月(夏果専用)

果皮の色

黄緑〜黄色

味の特徴: マイルドな甘み。バナナのような香りが特徴。

珍しい黄色系品種。「バナナいちじく」とも呼ばれる。耐寒性が比較的高く、家庭菜園でも栽培しやすい。

ドイツで育成された黄色系品種。果実は80〜120gで黄緑〜黄色に熟す。果肉はクリーム色〜薄ピンク色。バナナに似た甘い香りが特徴で、生食はもちろんジャムやドライフルーツにも向く。耐寒性が高く(-10℃程度まで耐える)、寒冷地でも栽培可能。

甘さ
大きさ
入手しやすさ
原産・由来

ギリシャ・ロードス島

収穫時期

9〜10月(秋果専用)

果皮の色

黄緑〜黄褐色

味の特徴: 蜂蜜のような濃厚な甘み。果肉はオレンジ色。

ギリシャ原産の希少品種。日本での栽培は少ないが、その甘さは群を抜く。乾燥いちじくにすると特に美味。

ギリシャのロードス島原産。果実は100〜130gで、熟すと果皮が黄褐色になる。糖度は22〜28度と非常に高く、蜂蜜のような濃厚な甘みが特徴。ドライいちじくにすると甘みがさらに凝縮される。日本では専門農家・マニア向けの希少品種として流通する。

甘さ
大きさ
入手しやすさ
原産・由来

クロアチア・ダルマチア地方

収穫時期

8〜9月(夏秋兼用)

果皮の色

緑〜黄緑

味の特徴: さっぱりした甘み。果汁が多く清涼感がある。

アドリア海沿岸原産の品種。果皮が緑色のまま熟すため見た目で熟度を判断しにくいが、触れると柔らかくなる。日本では栽培農家が少ない希少品種。

クロアチアのダルマチア地方で古くから栽培される品種。果実は80〜100gで、熟しても果皮が緑色を保つ。果肉はピンク〜赤色で果汁が豊富。糖度は16〜20度とやや控えめだが、さっぱりした甘みが特徴。生食向きで、チーズやプロシュートとの相性が抜群。

甘さ
大きさ
入手しやすさ

CLASSIFICATION

いちじくの品種分類

夏果専用種

前年の枝に実をつける。6〜7月に収穫。バナーネ・ロードスなどが代表。

秋果専用種

当年の枝に実をつける。8〜10月に収穫。ビオレソリエスなどが代表。

夏秋兼用種

夏果・秋果の両方をつける。桝井ドーフィン・蓬莱柿が代表的。

単為結果性品種

受粉なしで果実をつける。日本で栽培される品種のほとんどがこのタイプ。